法務資格の種類・難易度・選び方を徹底解説【キャリアアップに役立つ資格とは？】

「法務職に資格は必須?」「どの資格から取ればいい?」
未経験から法務を目指す方なら、必ず直面する疑問です。結論から言えば、資格なしでも法務職に就くことは可能ですが、適切な資格取得でキャリアの選択肢は大きく広がります。

実際、中小企業では実務重視の採用も多い一方、ビジネス実務法務検定などの資格が「法務知識あり」の証明として評価されるケースも増えています。また、ロー生(法科大学院修了生)の法律知識は企業から高く評価され、未経験でも法務職への道が開かれています。

この記事で分かること
– 資格なしでも働ける企業の採用事情とロー生のニーズ
– レベル別おすすめ法務資格と難易度・学習時間の目安
– 仕事と両立できる効率的な勉強方法と資格選びのコツ

自分のキャリアゴールに合った資格を見極め、法務職への確実な一歩を踏み出せます。

法務資格は必要？未経験から目指すキャリアパス

まずは実際の企業ニーズや、弁護士試験経験者の活躍、そして資格がキャリアに与える影響について解説します。

法務への転職は難しい？理由・必要スキル・成功事例までわかりやすく解説

法務資格なしでも働ける？企業のリアルな採用事情

法務資格がなくても応募できるの？

資格がなくても実務経験や素養が評価されるケースは多くあります。

企業法務の現場では、資格よりも業務に即した知識や対応力が重視される傾向があります。特に中小企業では法務と総務を兼任するポジションも多く、実務経験のある人材は重宝されます。
また、以下のようなニーズが見られます：

• 契約書チェックや文書管理ができる人材
• 労務・法務など複数業務に柔軟に対応できる人
• 基本的な法律知識を備えた総務職志望者

法務部に資格なしで転職する方法｜未経験者が知るべき必要スキルと成功事例

弁護士試験経験者（ロー生）への企業ニーズとは

弁護士になれなかったけど、法務職に就ける？

ロー生の法務知識は評価され、法務職への需要も十分にあります。

法科大学院出身者（ロー生）は、たとえ弁護士にならなかった場合でも、法律知識を活かして法務職への道が開かれています。企業側も以下のような理由から、ロー生を高く評価する傾向にあります。

• 民法・商法・会社法などの基礎理解がある
• 複雑な契約書の読解・作成に対応できる
• 社内規程やリスク管理にも強みがある

企業によっては「未経験法務」や「ポテンシャル採用」として、20代後半〜30代前半のロー生を積極的に採用しており、転職市場でも一定のニーズが継続しています。

法務資格がキャリアアップに与える影響

法務資格を取ると、どんなメリットがあるの？

昇格や転職時の評価アップ、社内外での信頼獲得などに繋がります。

法務資格を保有していると、以下のような点でキャリアアップに有利になります。

また、ビジネス実務法務検定など比較的取得しやすい資格でも、未経験から法務職への第一歩を踏み出す材料となるため、学習の価値は十分にあります。

おすすめの法務資格一覧と特徴

法務職を目指すうえで、どの資格を取得すればよいか悩む方も多いでしょう。ここでは、未経験からでも挑戦しやすい資格から、難易度の高い専門資格まで、代表的な法務資格の特徴を紹介します。キャリアや目的に合わせて、最適な資格を見つけていきましょう。

ビジネス実務法務検定｜未経験者に最適な登竜門

法務未経験でも安心して始められる資格はある？

ビジネス実務法務検定なら、基礎から段階的に学べて安心です。

ビジネス実務法務検定は、商工会議所が主催する民間資格で、法務知識を段階的に学べる検定試験です。特に3級は法務初心者向けで、企業で必要な契約やコンプライアンスの基本を学ぶことができます。

企業によっては「法務知識あり」と判断される基準にしているところもあり、未経験者が実力を証明する手段としても効果的です。

行政書士・司法書士・弁護士｜難関法務資格の位置づけ

難関資格って法務職にどれだけ有利なの？

専門性が高いため、特定業務では独占的なポジションを得られます。

行政書士・司法書士・弁護士といった国家資格は、独占業務が定められており、より高度で専門的な法務業務に従事できます。企業法務の分野でも、下記のような場面でこれらの資格が強く求められることがあります。

• 弁護士：契約交渉、訴訟対応、リスクマネジメント
• 司法書士：登記業務、企業再編関連手続き
• 行政書士：許認可申請、官公署への書類作成

一方で、これらの資格は学習期間も長く、働きながらの取得には相応の覚悟が必要です。キャリアの長期的なゴールとして捉えるとよいでしょう。

知的財産管理技能士・個人情報保護士など専門特化型資格

法務の中でも専門性を深めたいときにおすすめの資格は？

知財や個人情報に関する資格でスキルの差別化ができます。

現代の企業法務では、知的財産や個人情報保護といった専門分野の重要性が高まっており、これらに特化した資格を取得することで、社内での評価や市場価値を高めることが可能です。

このような専門型資格は、特定業務に強みを持つ人材として社内外で差別化でき、将来的なキャリアの選択肢も広がります。

法務資格の難易度と選び方

法務資格には幅広いレベルや種類があり、自分に合ったものを選ばなければ時間やコストを無駄にしてしまうリスクもあります。ここでは、レベル別のおすすめ資格や、キャリアビジョンに沿った選び方、そして合格までにかかる現実的な負担について解説します。

レベル別｜自分に合った法務資格を選ぶポイント

どの資格が自分に合ってるかわからない…

経験や知識レベルに応じて段階的に選ぶのがポイントです！

法務資格は、未経験者向けからプロフェッショナル向けまで難易度に差があります。まずは、自分のスキルレベルや目的を明確にしたうえで、以下のように選んでみましょう。

キャリアゴールに応じた資格選びの考え方

将来的にどんな法務職に就きたいかで選ぶべき資格も変わるの？

はい、キャリアの方向性によっておすすめの資格は異なります！

法務職と一口に言っても、求められる役割やスキルは企業規模や業務内容によって異なります。どのようなキャリアを歩みたいかを明確にすることで、選ぶべき資格が見えてきます。

• 総務兼任の法務職を目指すなら → ビジネス実務法務検定
• 社内規程整備・契約業務の責任者を目指すなら → 行政書士や司法書士
• 高度な法務戦略に関わる専門職を目指すなら → 弁護士
• ベンチャー企業の1人法務ポジションを目指すなら → 複数資格＋実務経験の組み合わせ

資格はあくまでもキャリア達成の手段です。方向性を明確にしてから選ぶと、途中で学習のモチベーションが下がりにくくなります。

試験合格までに必要な学習時間とコスト感

勉強にどれくらい時間とお金がかかるんだろう…

難易度によって大きく異なるので、あらかじめ目安を知っておきましょう！

法務資格を目指す際の時間的・金銭的コストは重要な検討材料です。以下に主要な資格についての目安をまとめました。

忙しい社会人にとっては、スケジュールや金額の計画も成功の鍵。資格選びの前にしっかり把握しておきましょう。

法務資格の勉強方法と取得のコツ

独学での進め方と市販教材の選び方

独学でも合格できる？市販のテキストで大丈夫？

市販教材でも十分合格を目指せますが、計画的な学習が鍵です。

独学で法務資格を目指す場合、教材選びと学習の習慣化が最重要です。以下の3点を押さえれば、独学でも十分に合格を目指せます。

• 過去問中心の学習を行う
• 頻出テーマは繰り返し確認する
• 1日30〜60分でも継続することを優先

特にビジネス実務法務検定や行政書士などは、市販の教材でも高評価なものが多数出ており、独学との相性が良い資格です。

仕事と両立できる通信講座・eラーニング活用法

忙しくて勉強時間がとれないときはどうすればいい？

通信講座やeラーニングなら、スキマ時間を活かして効率的に学べます！

忙しい社会人や子育て世代の方には、通信講座やeラーニングの活用が効果的です。通勤時間や夜の30分など、小さな時間を積み重ねていくことで、学習のハードルを下げられます。

• 講義動画でインプットをスピーディに
• スマホやタブレットでいつでも復習
• 添削や質問対応付きのコースで安心感UP

有名な講座としては「ユーキャン」「スタディング」「LEC」「TAC」などがあり、それぞれ価格帯やフォーカスしている資格が異なるため、比較して自分に合ったものを選びましょう。

管理部門専門のキャリアアドバイザーからの学習支援アドバイス

どの資格が自分に合っているかプロに相談したい…

キャリアアドバイザーの支援を受ければ、目標に合った学習戦略が立てられます！

法務資格を通じてキャリアアップを目指すなら、管理部門特化のキャリアアドバイザーに相談するのも有効です。現職の状況や将来の目標に応じて、最適な資格や勉強法のアドバイスがもらえます。

また、弁護士を目指していたが別の道へ進むことを選んだ方（ロー生）なども、こうした専門家の助言を受けることで、自身の知識を活かしたキャリア設計が可能になります。

• 法務未経験者向けの勉強・資格戦略
• 転職市場で評価されるスキルの整理
• 長期的キャリア構築のプラン設計

一人で悩まず、実務と採用の両面に詳しいプロと一緒に進めていくことで、学習の質と効率がぐっと高まります。

経理の転職に必要な資格はこれがおすすめ【年収アップに役立つ資格を厳選】

後藤 大輝　　

HR事業部シニアマネージャー

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株式会社クルー HR事業部 シニアマネージャー。2013年より管理部門・士業分野に特化した人材エージェントとしてキャリアをスタート。10年以上にわたり活躍し、全社MVP受賞やマネージャー職を歴任した。現在はCFO代行・IPO支援を行う株式会社クルーにてHR事業を統括している。得意とする分野は、上場準備企業を含む成長フェーズの管理部門（経理・財務、人事・総務、法務、経営企画など）のマッチングである。求職者と企業双方を自身が担当する一気通貫サポートが特長。企業の課題や募集背景も包み隠さず共有する誠実な情報提供と、量より質を重視した最適なマッチングを実践している。また、10年超で培った東海地区の知見と人脈を活かし、独自の機会提供も可能としている。