【今更聞けない】ガバナンスの目的と意味、ビジネスシーンでの活用例
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こんにちは!
ガバナンスって会議などで聞いたことあるけど、なんとなくでしか理解してなかったり、そもそも経営上層部だけ理解していればいいんじゃないの?なんて思ってませんか?
また、ガバナンス強化に課題を感じているものの、具体的な施策が分からない、という担当者も多いことでしょう。
そこで今回は、ガバナンスの意味や強化するメリット、具体的な施策をまるっと解説します。
不祥事に敏感な社会への対策として、しっかり理解しておきましょう。
ガバナンスとは?
ガバナンスとは、組織やシステムを適切に運営、管理、監督するための原則や方針、プロセスを指します。
英語の”governance”は「統治」や「支配」といった意味を持ちますが、ビジネスやITなどの分野で使われる場合、その意味はもう少し広範で、組織全体の戦略や方向性を決定し、その達成を確実にする役割を果たします。
たとえば、企業ガバナンスの場合、組織の目標達成に向けて、経営陣の行動を監督し、企業の利害関係者(株主、従業員、顧客、社会など)の利益を保護し、組織の透明性と説明責任を確保する役割を果たします。
これには、組織のリーダーシップ、戦略、ポリシー、監督機能などが含まれます。
また、ITガバナンスの場合、ITリソースが組織の戦略と目標に沿って適切に使用され、管理されていることを確認する役割を果たします。
これは、IT投資の価値最大化、リスク管理、リソースの最適利用などを目指すものです。
ガバナンスは組織が効果的に運営され、責任を果たし、信頼を築くための重要な要素です。
ガバナンスの目的と現場との関係
ガバナンスは組織の運営や意思決定の「仕組み」を指し、透明性・効率性・責任を確保することを目的としています。
特に企業の経営陣や取締役会がどのように組織を指導・管理し、利害関係者の利益を適切に配慮しながら意思決定を行うかという点に重点が置かれています。
より労働環境に身近な言葉で表現すると「コンプライアンス」がそれを指します。
コンプライアンスとは、組織が法律・規制・内部規則等を遵守し、適切な行動や業務遂行が行われるようにする取り組みです。
つまり、ガバナンスが組織の運営全体を包括し、コンプライアンスが、その中の法令遵守や倫理規範を守るという役割を担っているということです。
いわゆる「コンプライアンスのためのガバナンス」がそれに当たります。
混同されやすい言葉の意味と違い
ガバメント
ガバメントとは、主に政府や行政機関が行う政策や制度の運営・管理を指す言葉です。
ガバナンスとは異なり、ガバメントは主に「公的な組織における運営や管理」を対象としています。
内部監査
内部監査は、企業内部の経営や業務プロセスが適切に機能しているかを評価・監査する活動です。
ガバナンスとは異なり、内部監査は主に「リスク管理やコンプライアンスの確保」に焦点を当てています。
ガバナンスってどう使うの?使い方と解説
ガバナンスを強化する
冒頭でもある通り、ガバナンスと強化はセットで使うことが多いです。
具体的には、情報開示の向上やリスク管理の徹底など、企業の透明性を表す手段でもあります。
ガバナンス効果
ガバナンス効果とは、ガバナンスが適切に機能することで、組織全体のパフォーマンスが向上することを指します。
例えば、透明性の高い経営が投資家からの信頼を得られることや、リスク管理の徹底による事業リスクの低減などが考えられます。
ガバナンスコード
ガバナンスコードとは、企業が遵守すべきガバナンスの指針や基準をまとめたものです。
各国で異なるガバナンスコードが存在し、企業はそれに従ってガバナンスの取り組みを進めることが求められます。
ガバナンスが効くとは?
ガバナンスが効くとは、組織の運営や管理が適切に行われ、利害関係者の権益が保護される状態を指します。
効果的なガバナンスが機能することで、企業は経営の透明性や健全性が向上し、企業価値も高まることが期待されます。
例えば、
- 経営の透明性が向上し、投資家からの信頼が高まる
- 内部統制やリスク管理が強化され、事業リスクが低減する
- 利益配分や意思決定が公平に行われ、利害関係者の満足度が向上する
- 組織全体のパフォーマンスが向上し、企業価値が高まる
といったメリットがあり、事業を進めていく上で必要不可欠な仕組みと言えます。
ガバナンスが効いていないとどうなるのか
ガバナンスが効いていない場合、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 企業価値が低下し、株主が安心して投資できない
- 企業に損害が発生するリスクが高まり、企業活動が円滑に行えない
- 利害関係者の利益が十分に配慮されず、ビジネスチャンスを逃すかも
- 組織の運営が混乱し、経営効率が悪化し、会社の成長を妨げることも
など、事業存続においてデメリットしかないと言えます。
ガバナンスを強化する方法と注意点
ガバナンスを強化する方法には、以下のような取り組みがあります。
内部統制システムの構築
内部統制システムは、組織の業務遂行に関するリスクを管理し、適切な運営を確保するための仕組みです。
以下は、内部統制システム構築の具体例です。
1.明確な責任分担: 組織内での役割と責任を明確に定義し、適切な業務遂行ができるようにします。
2.業務プロセスの整備: 業務の手順を明確にし、適切な監督やチェックが行われるようにします。
3.内部監査の実施: 定期的に内部監査を実施し、内部統制システムの有効性を評価・改善します。
客観的なモニタリングの強化
客観的なモニタリングは、組織の運営や意思決定が適切に行われているかを評価するための仕組みです。
以下は、客観的なモニタリング強化の具体例です。
1.独立した監査役の選任: 組織の運営を客観的に評価する独立した監査役を選任します。
2.内部監査部門の設置: 組織内の業務遂行やコンプライアンス状況を監査する専門部門を設置します。
3.情報開示の透明性向上: 業績や経営状況に関する情報を適切かつ透明に開示し、利害関係者の信頼を得ます。
社内全体でガバナンスの意識を上げる
組織内でガバナンスの意識を高めることで、従業員が適切な行動や意思決定を行いやすくなります。
以下は、ガバナンス意識向上の具体例です。
1.研修・教育プログラムの実施: 従業員に対して、ガバナンスやコンプライアンスに関する研修・教育プログラムを実施します。
2.トップダウンのリーダーシップ: 経営陣がガバナンスの重要性を認識し、その意識を組織全体に浸透させる役割を果たします。経営陣が率先して適切な行動を取ることで、従業員もその姿勢を学びます。
3.コミュニケーションの促進: 組織内でのコミュニケーションを活発化させることで、ガバナンスに関する情報や意識が共有されやすくなります。例えば、定期的な社内報やミーティングでガバナンスに関する話題を取り上げることが挙げられます。
4.ガバナンスに関する評価・報奨制度: 従業員がガバナンスに関する取り組みや成果を評価・報奨する制度を導入し、意識向上を促します。
ただし、ガバナンスを強化する際には、組織の規模や業種、文化などを考慮した上で、以下のような注意点を念頭に置くことが重要です。
・組織の規模や業種、文化を考慮し、適切なガバナンス強化策を選択すること
・ガバナンス強化の取り組みが組織全体に浸透するように努めること
・定期的な評価や報告を行い、適切な改善策を講じること
・最新のガバナンスに関する情報を収集・分析し、組織の取り組みに反映させること
・効果的な戦略立案と実行を通じて、ガバナンス強化に向けた目標を達成すること
これらの注意点を踏まえながら、ガバナンス担当者は組織のガバナンス強化に努めることが求められます。
適切なガバナンスの取り組みを行うことで、組織の運営がよりスムーズになり、企業価値の向上につながることが期待されます。
コーポレートガバナンスが改訂された際の人事の役割は?
コーポレートガバナンスが改訂される際、人事部門は重要な役割を担います。主な役割と仕事は以下の通りです。
1.役員・経営陣の人事: 改訂後のコーポレートガバナンスに適合した役員や経営陣を選任することが求められます。また、役員や経営陣の評価や報酬制度を見直すことも重要です。
2.研修・教育プログラムの見直し: 改訂されたガバナンスに対応するために、社員向けの研修や教育プログラムを見直し、適切な内容に更新することが求められます。
3.組織風土の改善: コーポレートガバナンスが改訂されることで、組織風土も変わることがあります。人事部門は、風土の改善に取り組み、適切なコミュニケーションや行動が促進されるように努めることが重要です。
4.コンプライアンス体制の整備: 改訂されたガバナンスに基づくコンプライアンス体制を整備し、社員に対する啓発活動や研修を実施することが求められます。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
今回は、ガバナンスの概要や実際に現場や担当者や株主などの立場に立った際に、どのように取り組み、また見られるのかについてまでご紹介しました。
外部との取り組みでは安心して仕事が進み、内部での業務においては意識して行動するだけで評価されることでしょう。
ただの従業員だから、経営陣ではないからと無視するのではなく、上手く業務に取り入れるだけで円滑にビジネスが進みます。
本記事を通じて、ガバナンスの基礎から大切さまで理解し、日々の業務に活用して頂けたら幸いです。