営業から経理への転職は未経験でも可能!営業経験が武器になる理由と成功の全ステップ
毎月の営業ノルマに追われる日々に、ふと「この働き方を、この先もずっと続けていけるだろうか」と、将来に漠然とした不安を感じたことはありませんか。
顧客との関係構築は得意だし、目標を達成するやりがいも知っている。けれど、心のどこかで「景気に左右されない専門性を身につけて、もっと安定したキャリアを築きたい」と考えている。
そんなあなたが、新たな選択肢として「経理」という仕事に興味を持つのは、ごく自然なことです。
しかし、同時に「畑違いの経理なんて、全くの未経験では無理だろう」「これまで培ってきた営業の経験が無駄になってしまうのでは?」といった大きな不安が、あなたの次の一歩をためらわせているのではないでしょうか。
もし、あなたが今そう感じているなら、ぜひこの記事を読み進めてください。
結論からお伝えします。営業から経理への転職は、未経験からでも十分に可能です。そして、あなたがこれまで必死に積み上げてきた営業経験こそが、転職を成功させるための「最強の武器」になります。
この記事では、営業から経理へのキャリアチェンジを本気で考えるあなたのために、
* なぜ未経験でも転職が可能なのか、その明確な理由
* あなたの営業経験が「最強の武器」になる具体的な場面
* 採用担当者の心に響く、実践的な志望動機の作り方【例文付き】
* 入社後の後悔を防ぐ、経理の仕事のリアルな実態
これらを、多くの転職事例を基に、具体的かつ丁寧にご説明します。
読み終える頃には、漠然としていた「経理への憧れ」が、「自分にもできるかもしれない」という確信に変わり、次の一歩を踏み出すための具体的な道筋が見えているはずです。
営業から経理は未経験でも可能!転職できる3つの理由
「営業の仕事はやりがいもあるけど、毎月のノルマが正直しんどい…」「もっと専門性を身につけて、安定したキャリアを築きたい」
そのように考えて、営業から経理へのキャリアチェンジを検討している方も多いのではないでしょうか。
なぜ今、営業から経理への転職が注目されているのか
近年、あなたと同じように、営業職から経理職へのキャリアチェンジを希望する方が非常に増えています。それは決して珍しいことではなく、その背景には、多くの営業経験者が共感する4つの社会的な要因があります。
- 働き方の見直しとワークライフバランスの追求
働き方改革の影響もあり、プライベートの時間を大切にしたいと考える人が増えています。営業職に比べ、経理職は繁忙期を除けば残業が少なく、休日もカレンダー通りであることが多いため、ワークライフバランスを保ちやすい職種として注目されています。 - ポータブルな専門性の獲得
営業スキルは個人の資質に依存しがちですが、会計というルールに基づいた経理のスキルは、どの会社でも通用する「ポータブルスキル」です。手に職をつけることで、自身の市場価値を高め、キャリアの安定性を図りたいというニーズが高まっています。 - 年齢による体力的なキャリアプラン
特に30代以降になると、外回りや接待といった営業特有の業務を体力的に厳しく感じる方も増えてきます。内勤で専門性を高めていける経理職は、長期的なキャリアを考えた際の現実的な選択肢として選ばれています。 - 営業経験との意外な親和性
営業活動で日常的に扱ってきた「売上」「利益」「予算」といった数字。この営業で培った数字感覚や目標達成意識は、会社の数字全体を管理する経理の仕事でも直接活かすことができます。
これらの理由から、営業職から経理職への転職は、現代のキャリア戦略において、合理的かつ魅力的な選択肢として広く認識され始めているのです。
結論からお伝えすると、営業から経理への転職は十分に可能です。実際に、多くの営業経験者が経理職へのキャリアチェンジを成功させています。
では、なぜ未経験でも可能なのでしょうか。その背景にある3つの大きな理由を、具体的に解説していきます。
理由1:営業経験は経理で評価される強みになる
「営業と経理では、仕事内容が違いすぎて経験が活かせないのでは?」と思われるかもしれませんが、それは大きな誤解です。実は、営業で培ったスキルは、経理の仕事でこそ輝く「隠れた武器」になります。
経理の仕事は、ただ黙々とパソコンに向かって数字を打ち込むだけではありません。例えば、経費精算のルールを他部署の社員に説明したり、経営層へ決算数値を報告したりと、様々な場面で他者とのコミュニケーションが発生します。
そのような時、営業経験で培った「相手の立場を理解し、難しい内容も分かりやすく伝える調整力」は、社内の潤滑油として非常に高く評価されます。
私の経験上、コミュニケーション能力を武器に転職を成功させた方は少なくありません。以前ご支援した30代の方も、営業として培った「部署間の利害調整力」を面接でアピールし、組織拡大中のベンチャー企業から「現場の痛みも理解できる経理」として内定を獲得されました。彼は入社後、経理の基礎を固めた上で、営業時代の経験を活かして全部署が分かりやすい経費精算マニュアルを作成するなど、部署間の橋渡し役として活躍しています。
理由2:経理職の需要拡大で未経験者にもチャンス
現在、多くの企業で経理人材のニーズが高まっており、未経験者を採用する門戸が広がっています。
企業の成長や法改正への対応、DX化の推進など、経理部門が担う役割は年々重要度を増しています。しかし、その専門性の高さから経験者の採用は難しく、ポテンシャルを重視して未経験者を採用し、自社で育てようという企業が増えているのです。
特に、営業経験者が持つ「ビジネスの最前線の感覚」は、単なる数字の羅列から事業の状況を読み解く上で大きな価値を持ちます。この点は、未経験というハンデを補って余りある魅力に映ることもあります。
| 企業タイプ | 未経験者採用の狙い |
|---|---|
| 成長中のベンチャー企業 | 会社の成長に合わせて、柔軟な発想で仕組みを構築してくれることへの期待 |
| 中堅・中小企業 | 将来的にバックオフィス全体を担う中核人材としてのポテンシャル |
| 大手企業の子会社など | まずは定型業務から着実に習得してもらい、将来の戦力として育成したい |
このように、様々な企業がそれぞれの狙いを持ち、意欲ある未経験者に門戸を開いています。
理由3:簿記資格が営業から経理への道を拓く
営業から経理への転職を本気で考えているなら、簿記資格の取得はあなたの決意を証明する強力なパスポートになります。
採用担当者は「なぜ営業ではなく経理なのか?」という転職理由の納得感を重視します。その際に、資格取得という具体的な行動は、あなたの本気度と学習意欲を何よりも雄弁に物語ってくれるのです。
簿記3級と2級では、企業からの評価や応募できる求人の幅が変わってきます。
| 項目 | 日商簿記3級 |
|---|---|
| 企業からの評価 | 経理への「意欲」と「基礎知識」の証明。未経験者採用のスタートラインと見なされることが多い |
| 応募できる企業 | 未経験者歓迎の求人が中心。まずは経理のキャリアを始めたい場合に有効 |
| 項目 | 日商簿記2級 |
| 企業からの評価 | 商業簿記に加え、原価計算(工業簿記)の知識も持つ「実務的な専門知識」の証明 |
| 応募できる企業 | 応募できる求人の幅が大きく広がる。特に製造業やIT企業では工業簿記の知識が高く評価される傾向 |
まずは3級を取得して経理への意欲を示し、転職活動と並行して2級の学習を進めるという戦略も非常に有効です。大切なのは、資格取得を通じて得た知識を、あなたの営業経験とどう結びつけてアピールできるかを考えることです。
営業から経理へ|営業経験が活きる3つの場面(具体例付き)
「営業の経験は、経理になったらリセットされてしまうんだろうか…」
そんな風に、ご自身のキャリアをリセットのように感じる必要は全くありません。むしろ、営業で培った経験やスキルは、経理という新しいフィールドであなただけのユニークな強みとなります。ここでは、あなたの営業経験が経理の実務で輝く3つの具体的な場面をご紹介します。
場面1:社内調整で活きる「現場目線のコミュニケーション力」
経理の仕事は、他部署に経費精算のルール徹底を依頼したり、必要な書類の提出を催促したりと、社内調整の連続です。ここで、営業で培ったコミュニケーション能力が絶大な効果を発揮します。
【具体例】
営業部門から提出される経費申請の不備が多い場合、多くの経理担当者は「ルールなので正しく提出してください」と一方的に通知しがちです。しかし、営業経験のあるあなたなら、「営業の皆さんは外出が多く、オフィスに戻ってからの事務作業は大変ですよね。この項目さえ埋めていただければ、あとはこちらで処理しますよ」と、現場の状況を理解した上で、現実的な協力依頼ができます。この「現場目線」での調整力が、社内の円滑な業務遂行を可能にします。
場面2:経営報告で活きる「数字の背景を読み解く力」
経理の重要な役割の一つに、集計した数値を分析し、経営陣に報告することがあります。ただ数字を報告するだけでなく、その背景にあるビジネスの文脈を理解しているかどうかが、報告の価値を大きく左右します。
【具体例】
売上が前月比で20%増加したというデータを報告する際、営業経験のない経理担当者は「売上が20%増加しました」という事実報告で終わるかもしれません。しかし、営業経験のあるあなたなら、「この増加は、先月実施したAキャンペーンの効果と、大口顧客B社の決算期前の駆け込み需要が主な要因です。来月はその反動で少し落ち込む可能性があります」と、数字の裏にある「なぜ?」を補足説明できます。この付加価値のある情報が、経営陣の次の戦略立案に直結するのです。
場面3:外部折衝で活きる「プレゼンテーション&交渉力」
経理の仕事は、社内だけでなく、銀行や監査法人、税務署といった社外の専門家とやり取りする場面も多くあります。ここで、営業時代に培ったプレゼンテーション能力や交渉力がそのまま活きてきます。
【具体例】
銀行に追加融資を依頼する際、ただ財務諸表を提出するだけではありません。その数字を基に、「なぜ今資金が必要なのか」「その資金で事業をどう成長させるのか」という将来の展望を、相手を納得させる形でプレゼンテーションする必要があります。これはまさに、顧客に自社製品の価値を伝え、契約を勝ち取ってきた営業のスキルそのものです。また、監査法人からの厳しい指摘に対して、自社の会計処理の正当性を論理的に説明する場面でも、あなたの交渉力が光ります。
その通りです。営業から経理への転職は、あなたが培ってきたスキルを新しいフィールドで再発見し、新しい価値を生み出す絶好の機会なのです。
【例文付】営業から経理への転職|必勝の志望動機作成術
営業から経理への転職活動において、採用担当者が最も重視するのが「志望動機」です。未経験からの挑戦だからこそ、あなたの熱意とポテンシャルをここでしっかりと伝える必要があります。
志望動機を語る大前提:なぜ簿記2級が重要なのか
その前に、説得力のある志望動機を語るための「パスポート」とも言えるのが、日商簿記2級の資格です。営業から経理への転職を目指す場合、私たちは簿記2級以上の取得を強く推奨しています。その理由は以下の通りです。
- 唯一の「専門性」の証明になるから
営業経験はポータブルスキルとして評価されますが、経理の採用市場では「未経験者」として扱われます。その中で、簿記2級はあなたが「経理の実務に耐えうる基礎知識を、努力して身につけた」ことを客観的に証明できる唯一の武器になります。 - 「本気度」の伝わり方が全く違うから
簿記3級は「経理に興味がある」レベルの評価ですが、工業簿記を含む簿記2級は「経理担当者として働く覚悟がある」という本気度の証明と見なされます。この差は、特に30代以降の転職では非常に大きくなります。 - 書類選考の通過率が大きく変わるから
多くの企業が、応募条件として「日商簿記2級程度」を掲げています。資格がない、あるいは3級のみの場合、書類選考の段階で足切りされてしまう可能性が高まります。
日商簿記2級の学習時間の目安は250〜350時間。営業の仕事を続けながらでも、1日2〜3時間の学習を確保すれば3〜6ヶ月で十分に合格可能です。転職活動を本格化させる前に取得しておくことで、この後のステップで解説する志望動機の説得力が格段に高まります。
ご安心ください。簿記2級という武器を手に入れた上で、これから解説するポイントを押さえれば、あなたの営業経験を最大限に活かした、説得力のある志望動機を作成することができます。
ポイント1:「ネガティブな本音」を「ポジティブな志望動機」に変換する
まず最も大切なのは、「なぜ営業職ではなく、経理職を志望するのか」という問いに、あなた自身の言葉で一貫性のあるストーリーをもって答えることです。
「営業のノルマがきついから」「残業が少ない仕事がしたいから」といった本音は、誰しもが持っているものです。しかし、それをそのまま伝えてしまうと、「うちの会社でも嫌なことがあったら辞めてしまうのでは?」と採用担当者に不安を与えてしまいます。
ここでのカギは、転職理由を「逃げ」ではなく、「成長意欲」や「キャリアプラン」といった前向きな動機へと言い換えることです。以下のNG例とOK例の対比を参考に、ご自身の本音をポジティブな言葉に変換してみましょう。
| NG例(後ろ向きな印象) | OK例(前向きな印象) |
|---|---|
| 「営業のノルマがきつくて辞めたいと思いました」 | 「営業として売上目標を追う中で、その数字が会社の利益にどう繋がるのか、会計の仕組みそのものに興味を持ちました」 |
| 「残業が少なそうだからです」 | 「専門性を高めながら、効率的な業務遂行によってワークライフバランスも実現できる働き方に魅力を感じています」 |
| 「営業に向いていないと感じました」 | 「営業経験を通じて、自分は最前線で成果を出すよりも、後方から組織全体を支える役割にやりがいを感じるタイプだと気づきました」 |
| 「安定した仕事がしたいからです」 | 「景気に左右されない会計という専門スキルを身につけ、長期的な視点で企業経営を支えるプロフェッショナルになりたいと考えています」 |
NG例に共通するのは「逃げの姿勢」です。一方、OK例では同じ転職理由でも「営業経験からの気づき」と「将来への成長意欲」に変換されており、採用担当者に「この人は明確な目的意識を持って挑戦しようとしているな」という好印象を与えます。あなたのこれまでの経験の中に、必ず経理という仕事につながるキッカケがあるはずです。それを丁寧に言語化することが、説得力のある志望動機への第一歩となります。
ポイント2:営業から経理でどう貢献できるか示す
次に、「未経験の自分が入社して、どのように会社に貢献できるのか」を具体的に提示します。
企業は教育コストをかけて未経験者を採用します。だからこそ、「教えてもらう」という受け身の姿勢ではなく、「自分の営業スキルを活かして、こう貢献します」という能動的な姿勢を示すことが、他の候補者との大きな差別化につながります。
前のセクションでご紹介した「営業経験が活きる3つの場面」を思い出してください。あなたのスキルが、経理の仕事でどのように役立つかをアピールしましょう。
例えば、職務経歴書や面接では以下のようにアピールできます。
「営業職で培った目標達成に向けた数値管理能力は、貴社の予実管理業務において、実績の裏にある活動内容まで踏み込んだ分析を行う上で必ず活かせると考えております。」
「前職では、複数の部署が関わるプロジェクトの調整役を担ってまいりました。この経験は、経理として新しいルールを全社に展開する際に、円滑な連携を実現するために貢献できると確信しております。」
このように、あなたのスキルが会社にもたらすメリットを明確に伝えることが重要です。
ポイント3:「なぜこの会社か」で熱意を伝える
最後の仕上げは、「数ある会社の中で、なぜうちの会社なのか?」という問いに答えることです。多くの応募者がおろそかにしがちなこのポイントをしっかり語ることで、あなたの熱意はより強く伝わります。
抽象的な「安定性」や「成長性」だけを理由にするのではなく、その企業の事業内容や製品、今後の事業戦略などを自分なりに理解し、「その事業に経理としてどう関わりたいか」を語りましょう。
【志望動機 例文】
私が貴社を志望する理由は、〇〇という事業を通じて社会課題の解決を目指すその事業内容に強く共感し、その一員として会社の成長を支えたいと考えたからです。
前職では6年間、法人営業として顧客の課題解決に努めてまいりました。売上目標を追う中で、企業の意思決定の根幹には正確な会計情報が不可欠であることを痛感し、会計の専門性を身につけたいと考えるようになりました。その思いから日商簿記2級を取得し、現在も学習を続けております。
営業で培った「目標から逆算して行動計画を立てる数値管理能力」や「他部署を巻き込みながらプロジェクトを推進する調整力」は、成長フェーズにある貴社において、予実管理の精度向上や、全部署を巻き込んだ業務改善の場面で必ず貢献できると確信しております。
未経験からの挑戦ではございますが、一日も早く貴社の戦力となれるよう、常に学び続ける姿勢で業務に取り組んでまいります。
営業から経理への転職|後悔しないためのリアルな実態
営業から経理への転職を決意し、内定を勝ち取ることは素晴らしいゴールですが、それは同時に新しいキャリアのスタートでもあります。「こんなはずじゃなかった…」と入社後に後悔しないためには、転職活動の段階で経理という仕事のリアルな姿を正しく理解しておくことが非常に重要です。
ここでは、キャリアチェンジを成功させるために知っておきたい経理の「メリット」と、営業職とのギャップから生じる「デメリット」の両面を正直にお伝えします。
経理のメリット:専門性とキャリアの安定性
経理職の最大の魅力は、なんといっても「ポータブルな専門性」が身につき、長期的に安定したキャリアを築ける点にあります。
会計や財務の知識は、業種や会社の規模を問わず、すべての企業活動の根幹を支える普遍的なスキルです。一度身につければ、あなたの市場価値を高め、キャリアの選択肢を大きく広げてくれる一生モノの武器となります。
最初は日々の伝票処理や入出金管理といった基本的な業務からスタートしますが、経験を積むことで、以下のようにキャリアアップしていくことが可能です。
| キャリアステップ | 主な業務内容 |
|---|---|
| スタッフクラス | 伝票処理、経費精算、入出金管理など(日次業務) |
| 中堅クラス | 月次・年次決算、税務申告補助、開示資料作成など |
| 管理職・専門職 | 管理会計(予算策定・予実管理)、財務戦略、資金調達、M&A、経営企画など |
また、個人の成績に給与が大きく左右されることが少なく、比較的ワークライフバランスを保ちやすいのも魅力の一つ。もちろん繁忙期はありますが、計画的にキャリアを築いていきたい方には最適な環境と言えるでしょう。
経理のデメリット:営業職とのギャップと注意点
一方で、華やかな営業の世界から経理へ移ると、いくつかのギャップに戸惑う可能性もあります。事前に心の準備をしておくことが、スムーズな適応の鍵となります。
特に大きいのは「評価軸の変化」と「仕事の進め方」の違いです。
| 項目 | 営業職 |
|---|---|
| 評価軸 | 売上や契約件数など、目に見える「成果」が評価の中心 |
| 仕事の進め方 | 個人の裁量が大きく、比較的自由にスケジュールを組める |
| 項目 | 経理職 |
| 評価軸 | 業務の「正確性」「効率性」「期日遵守」が評価の中心 |
| 仕事の進め方 | 法律や社内ルールに厳密に従い、決められた手順と期日を守ることが最優先 |
営業のように「大型契約を決めてヒーローになる」といった派手なスポットライトを浴びる機会は減るかもしれません。日々の地道な作業の積み重ねが会社の信用を支えている、という縁の下の力持ち的な役割にやりがいを見出せるかどうかが重要になります。
また、決算期など特定の時期は業務が集中し、残業が増える傾向があることも理解しておきましょう。
体験談:営業から経理に転職して感じたこと
最後に、私が以前ご支援した方のリアルな体験談を、個人が特定されない形でお話しします。彼は30代前半で、法人営業から成長中のベンチャー企業の経理へとキャリアチェンジを成功させました。
他にも、「営業時代はブラックボックスだった会社の数字の裏側が見えるようになり、ビジネス全体を理解できるようになったのが面白い」と語っていました。専門知識が着実に身についていく実感も、将来への安心感につながっているようです。
一方で、もちろん大変だったこともあります。最初の1年間は、細かい会計ルールや専門用語を覚えるのに必死だったとのこと。また、営業時代のように自分の成果がダイレクトに評価されるわけではないため、最初はやりがいの種類の違いに少し戸惑いも感じたそうです。
しかし、地道な業務を正確にこなすことで社内の信頼を得て、今では営業経験を活かして「現場の気持ちがわかる経理」として他部署との橋渡し役を担っています。
営業から経理への転職は、働き方ややりがいが大きく変わる挑戦です。しかし、その変化を乗り越えた先には、新しい専門性と安定したキャリアがあなたを待っています。
営業から経理への転職に成功した人の3つの共通点
私たち転職エージェントが数多くのキャリアチェンジをご支援してきた中で、営業から経理へ転職し、その後も活躍している方々には、いくつかの共通点があることが分かっています。ご自身に当てはまるものがあるか、ぜひチェックしてみてください。
- 数字への強い意識と好奇心を持っている
営業時代から、単に目標を追うだけでなく、数字そのものに興味を持っていた方は、経理職への適性が非常に高いです。- 売上や予算の数字を眺めたり、Excelで管理したりするのが苦ではなかった。
- 「なぜ今月は目標を達成できたのか」「なぜこの経費がかさんだのか」など、数字の裏側にある理由を考える習慣があった。
- 継続的な学習意欲と素直さがある
未経験の分野に飛び込む上で、最も重要な資質の一つです。営業時代から、自社の商品知識や業界動向を積極的に学んでいた方は、経理でもその学習能力を発揮できます。- 簿記の資格取得だけで満足せず、税法や会計基準の変更といった新しい情報を自主的に学び続ける姿勢がある。
- 分からないことを「分からない」と素直に認め、先輩や上司に積極的に質問できる。
- 相手の立場を理解した、社内調整力がある
経理は「社内のハブ機能」とも言われます。営業時代に培ったコミュニケーション能力は、そのまま経理の仕事で活かすことができます。- 営業時代、開発部門やサポート部門など、社内の関係部署と円滑に連携して仕事を進めた経験がある。
- 顧客だけでなく、社内の人に対しても「相手が何を求めているか」を理解し、相手の立場に立った説明や依頼ができる。
これらの特徴は、特別なスキルというよりも、仕事への向き合い方やスタンスに近いものです。もし一つでも強く当てはまるものがあれば、あなたは営業から経理への転職で成功する可能性を十分に秘めていると言えるでしょう。
【転職成功事例】営業から経理へ、キャリアチェンジを叶えた人たち
「理論は分かったけど、実際に転職した人はどうなんだろう?」そんな疑問にお答えするため、私たちが実際にサポートさせていただいた、営業から経理への転職を成功させた方々のリアルなストーリーをご紹介します。
【事例1】IT営業 → 経理(30代前半・男性)
転職のきっかけ:
IT企業で5年間営業として活躍。数字を追う日々の中で、「売上を作る側」から「会社全体の数字を管理・分析する側」へキャリアをシフトしたいと考えるように。
成功のポイント:
働きながら日商簿記2級を取得し、本気度をアピール。さらに、派遣社員として1年間経理の実務経験を積むという戦略的なステップを踏みました。面接では「営業時代の予算管理の経験」と「派遣で培った即戦力としての実務スキル」を具体的に語り、見事、正社員としての転職を成功させました。現在は、営業部門の気持ちがわかる経理担当として、社内の円滑な連携に貢献しています。
【事例2】保険営業 → 経理(20代後半・女性)
転職のきっかけ:
個人向けの保険営業として勤務。個人の成績に左右される働き方と、土日もお客様対応に追われる日々に限界を感じ、専門性を身につけ安定したキャリアを築きたいと経理職への転職を決意。
成功のポイント:
まずは日商簿記3級を取得し、転職活動を開始。「未経験歓迎」の求人に絞って応募し、面接では「営業で培った、相手の立場に立って物事を分かりやすく説明する力」が、経費精算の社内説明や経営層への報告資料作成で活かせるとアピール。そのポテンシャルが評価され、研修制度の整った中堅企業に内定。「今は定時で帰れる日も多く、ワークライフバランスが劇的に改善しました」と語っています。
よくある質問
Q:経理マンが一人前になるまでに何年かかる?
まず、日々の伝票処理や月次決算の補助といった一連のルーティン業務を一人で問題なくこなせるようになるまでが約1〜3年。この記事の体験談の方も、最初の1年間は覚えることに必死だったと語っています。さらに、年次決算を主担当として任されたり、より複雑な会計処理に対応できるようになったりするには、3〜5年程度が一つの目安となるでしょう。焦らず、一つひとつの業務を確実に身につけていくことが大切です。
Q:経理に向いている人、向いていない人はどんな人ですか?
【向いている人】
・コツコツと地道な作業を正確に続けられる方
・数字を扱うことに抵抗がなく、細かい点にも気づける方
・責任感が強く、決められた期日をしっかり守れる方
・(営業経験者の強みとして)他部署と円滑に連携できるコミュニケーション能力がある方
【向いていない人】
・大雑把な性格で、細かい確認作業が苦手な方
・常に目に見える成果や刺激を求める方
・決められたルールや手順通りに進めるのが苦痛な方
営業職とは評価軸が異なるため、正確な業務の先にやりがいを見出せるかどうかが一つのポイントになります。
Q:経理は転職しやすいですか?
その理由は、会計というスキルが業種や会社の規模を問わず、あらゆる企業で必要とされる「普遍的な専門性」だからです。求人が安定して存在し、景気の影響も受けにくい傾向があります。
未経験からの最初の転職は、この記事で解説したようにポテンシャルや意欲が重要になりますが、一度実務経験を積めば、あなたの市場価値は格段に上がります。特に決算経験などを積むことで、キャリアの選択肢は大きく広がり、より良い条件を目指した転職も可能になります。
